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若いころは食欲旺盛だった愛犬も、老犬になるにつれて食事の量が減ってきます。
当然、食事の量が減るということは、これまでとれていた栄養がとれなくなるため、愛犬に合わせた工夫が大切になります。
また老化現象がすすむと、自力で食べることが難しくなってくるため、食べさせ方の工夫や食事介助も必要になってきます。
そこでこの記事では、老犬に合った食事や食事方法などについてご紹介していきます。
目次
老犬の介護【食事の量が減ってしまう原因】
食事の量が減ってしまう原因には、以下のような原因があります。
- 活動量の減少
- 消化機能の衰え
- 基礎代謝の低下
- 口や歯の衰えや異常
- 嗅覚の衰え
このように老犬になると、さまざまな原因によって愛犬の食事の量が減ってしまいます。
また1回で食べることができる食事量も減ってしまうことも、十分な栄養をとれない原因になってしまいます。
老犬の介護【食事の与え方や質を変えていく】
老犬になり十分な量の食事がとれなくなってしまった場合は、食事の与え方や質を変え愛犬の体力維持に必要な栄養素をしっかりと与えていくことが大切です。
また愛犬の1日のカロリーを計算し、理想の体型を維持することも重要です。
- 1回の食事の量を減らして、与える回数を増やす
- 栄養価が高い、質のいいドッグフードに切り替える
- 手作りフードを取り入れる
「理想の体型・1日のカロリー」
愛犬が健康で過ごすためには、なるべく理想の体型を維持することが重要になります。
理想の体型
- 皮下脂肪を通して、肋骨を触ることができる
- 皮下脂肪を通して、腰骨を触ることができる
- お腹がわずかにへこんでいる
- 上から見たときに、適度にくびれている
1日のカロリー
1日のカロリーには個体差があるため、愛犬の体重の変化をもとに適切なカロリーに調節していく必要があります。
- 1日のカロリー 40〜50kcal/体重1kg
「缶詰・ドライフードを工夫する」
食事の量が減ってきた場合は、いつものフードに一手間をかけてあげると、愛犬の食欲をアップさせあげることができます。
缶詰のフードの場合 | 少し温めることで、フードの香りが強くなり愛犬の食いつきがよくなる |
ドライフードの場合 | ぬるま湯でふやかすことで、フードがやわらかくなり食べやすくなる |
ササミの茹で汁をかけることで、フードに香りがつき愛犬の食いつきがよくなる |
「いつものフードにトッピングして手作りフードをつくる」
一から手作りフードをつくるのは大変ですが、いつものフードに食材をトッピングするだけなら簡単に手作りフードをつくることができます。
トッピングする食材は、高タンパク・低脂肪の食事を基本にし、愛犬が食べやすいように一口大にしてフードにのせてあげます。
手作りフードにオススメの食材
鶏肉・豚肉・卵 | 良質なタンパク質をとるのための食材 |
鶏むね肉・青魚 | オメガ3・6脂肪酸をとるための食材 |
キャベツ・大根 | 抗酸化作用が期待できる食材 |
キャベツ・人参・ブロッコリー | デトックス作用が期待できる食材 |
シイタケ・マイタケ・エノキダケ | 免疫力増強が期待できる食材 |
手作りフードに入れてはいけない食材
ネギ類 | 赤血球を破壊してしまう |
香辛料 | 下痢になってしまう |
レーズン・ぶどう | 腎不全を引き起こす危険がある |
生卵の白身 | 下痢や皮膚炎を誘発する |
ナッツ | 運動失調などを引き起こす危険がある |
イカ・タコ・エビ | 神経障害を引き起こす危険がある |
老犬の介護【水分をしっかりと与える】
食事とともに、愛犬の健康維持に重要なのが水分です。
水分は栄養素の吸収を補助する、余計な老廃物を体の外に出す、体温を調節するなどの役割があります。
「水の与え方」
水を与えるときには、常温の水をこまめに与えるようにします。
こうすることで、新鮮な水を常に愛犬に与えることができます。
また愛犬が思うように水を飲んでくれない場合は、愛犬が喜んでくれそうな一手間を加えてあげます。
- ドッグフードに肉のゆで汁を加える
- 水で薄めたミルクを与える
- 水に無糖ヨーグルトを加えたものを与える
「1日の水分量」
1日の水分量を把握するためには、ペットボトルを利用すると便利です。
ペットボトルに1日に必要な量の水を入れて、そこから水を足していけばどれくらい水を飲んだのか把握することができます。
1日の水分量は以下の計算式で算出することができます。
- 体重(kg)×50〜70(ml)
老犬の介護【シニア食への切り替えるタイミング】
老化現象がさらに進み以下のような症状が現れたら、シニア食への切り替えを検討する時期になります。
- ウンチが柔らかくなった
- ゲップを頻繁にするようになった
- おならの回数が増えた
- 毛ヅヤが悪くなった
そのさいシニア食への切り替えについても相談し、アドバイスをもらうと安心してシニア食へ切り替えることができます。
「シニア食へ切り替えるときの注意点」
いきなりシニア食への切り替えを行なってしまうと、下痢になってしまったり、ご飯を食べてくれなくなってしまうことがあります。
そのような事態を防ぐためにも、シニア食へ切り替えるときは1週間程度の時間をかけてゆっくりと切り替えを行なっていきます。
- これまでのフード8割、シニア食2割からはじめる
- 1週間ほどかけて割合を半々にしていく
- 愛犬の様子を見ながら、シニア食の割合を増やしていく
老犬の介護【食べさせ方の工夫】
老犬になり体の機能が衰えてくると、これまでのような姿勢で食事をすることが難しくなります。
愛犬にしっかりと食事をとってもらうためには、愛犬の状態に合わせた食べさせ方の工夫をしてあげることが大切です。
「食器や食器台を利用する」
頭を下げて食べるのがつらそうな場合は、食器台を利用して愛犬が食べやすい高さに調節してあげます。
また前に傾斜のついた食器を利用してあげると、フードが手前側に落ちてくるので頭を上下する負担を減らすことができます。
伏せでの食事は、誤嚥のリスクを高めてしまうため食事が終わるまでしっかりと見守ってあげます。
「寝たきりになってしまった場合」
老化現象や病気などで寝たきりになってしまい、自力で食事をすることができなくなってしまった場合は、食事ができるように介助してあげる必要があります。
とくに自力で口から食べれない状態の場合、シリンジなどを使用して食事や水を直接、注入してあげる必要があります。
「シリンジを使った食事介助」
シリンジを使って食事介助をするときに、一番やってはいけないのが以下の2つです。
- 顔だけを上に向けて食事を流し込む
- 飲み込みを確認せずに食事を流し込む
シリンジを使った食事介助の方法
- シリンジに流動食を詰める
- クッションなどを使い、愛犬の上半身を高くする
- 愛犬の顔と上半身を支えるように、体全体で抱える
- 愛犬の顔の下にタオルを敷く
- 口の横、犬歯より奥側にシリンジを入れる
- 顔を上げずに、ゆっくりと少しずつ食事を入れる
- 飲み込みの確認をしながら食事を進めてる
- 時折水を与えながら飲み込みやすくする
- 食事が終わったら口の周りをキレイにしてあげる
- ゆっくりと頭をおろし20分程度様子をみる
食事が終わったあとは、嘔吐などによる誤嚥や窒息などの危険があるため20分程度様子をみてあげます。
老犬の介護【まとめ】
またそれに伴い、これまでとれていた栄養がとれなくなってしまいます。
さらに老化現象がすすむと、自力で食べることが難しくなってきてしまいます。
愛犬の体力維持に必要な栄養素をしっかりととるためにも、飼い主であるあなたが食事の与え方や質をかえていってあげましょう。